お塩と言うと、「塩分は取りすぎないように!」という昨今の教えにより、控えめにしているという方も多いのではないでしょうか。
そんなお塩は、身体の中の水分をしめる役割を持っているので、控えすぎることでバランスを崩してしまうこともあるのです。ご存知でしたか?
塩分のとりすぎは、高血圧をもたらし、脳出血や胃がんをまねくと言われています。これだけ聞くと、塩分は身体に取り込んではいけない食品なのではないか?と思ってしまいます。
では逆に塩分が足りないとどのようになるのでしょう?
人間にはもともと体内に0.8%ほどの塩分を持っています。塩分が足りなくなると、身体は、汗や尿などから塩分が外に出ないように、普段よりも水分の少ない状態で水分調整するようになります。これにより、めまいやふらつき、食欲減退、脱力感、果てには精神障害を引き起こす原因にもなるようです。
塩は、過剰に取りすぎても、少なすぎても、身体に大きな影響を与えるということがわかりますね。
また、塩と言っても、いくつかの種類に分かれています。
他国のほとんどは、岩塩から塩を得ているのに対し、日本は岩塩は採れません。そのような環境下でも、古くから日本人は知恵をしぼり、海水に含まれる塩を上手に入手してきたのです。
はじめは土器に海水を入れて直焚きだったようですが、徐々に手法が増えていきます。甘藻に海水をかけてその海水を煮詰めた藻塩焼。揚浜式塩田や下流式塩田。現在出回っている「食塩」という塩は、国のバックアップのもとイオン交換膜法という方法で、塩に含むミネラルを取り除き塩化ナトリウムを取り出したものです。
時が経ち、平成9年に塩の専売制度廃止により、各国の岩塩や、天然海塩など、様々なお塩が販売されるようになりました。身体のバランスという面で考えると、塩化ナトリウムだけを効率よく取り出した食塩よりも、ミネラルをほどよく含んだ海塩の方が身体に優しいと言えます。
塩という調味料は陰陽でいうと陽性な調味料。
珈琲、砂糖の入ったお菓子、果物、生野菜など、陰性に偏った食品が日常生活にあふれている現代では、夏でも慢性的な冷え性の人も多いはず。
食事を作る際に、身体に嬉しいミネラル入の海塩を使って調理することで、陰陽のバランスのとれた食事を心がけたいものです。
少し値段が高くても、毎日使う調味料ですので、身体に優しいお塩を選んでみてはいかがでしょう。
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